輸送試験丸わかりガイド
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Update:2026年9月
製品や貨物が輸送中に受ける可能性のある物理的な衝撃や振動、温度変化などの環境要因に対する耐久性を評価する試験です。
製品の品質を維持し、輸送中の損傷を未然に防ぐために実施されます。
輸送中の貨物は、振動・衝撃・圧縮など外部からの力にさらされ続けます。そのため、適切な包装設計がされていないと、製品の破損や箱のつぶれといったトラブルを生じさせます。またこのトラブルを回避するため、過剰包装になるケースも少なくありません。
破損した製品が届けられれば、企業の評判が悪化し、返品や交換に伴うコストが増加します。輸送包装試験により、これらのリスクを軽減し、ビジネスの効率を高めるために用いられます。実輸送とは異なり、同じ条件で何度も検証できることが最大の特長です。
輸送包装試験の目的
| 輸送包装試験 | ||
|---|---|---|
| 評価項目 | 従来の手法(実輸送) | |
| 判断・評価 |
定性判断 実際に運んで「壊れなかったからOK」とする簡易評価 |
定量・科学的 同一の振動や衝撃を再現し、科学的判断ができる |
| 試験時間 |
長期化 実車走行を伴うため、長時間の拘束と日程確保が必要 |
大幅短縮 30分で完了するなど、開発サイクルを劇的に短縮できる |
| コスト |
毎回高コスト 車両費、燃料費、ドライバーの人件費などがテストの度に発生 |
低ランニングコスト 試験装置の利用費用のみ |
| データ取得 |
事後確認のみ 輸送が終わった後に外観や内部を確認する「後日」評価 |
リアルタイム センサ計測により、いつ・どんな負荷で破損したかを即時把握 |
| 天候・路面 |
制御不可 季節、天候、道路の舗装状態などが絡み、結果に再現性がない |
完全コントロール 常に同一環境を再現可能(※恒温恒湿槽の併用で温湿度も再現) |
| 総合評価 |
繰り返し評価・最適化には不向き |
何度でも「全く同じ輸送環境」を |
輸送包装試験には、製品が輸送中に直面するさまざまな環境要因をシミュレーションして、耐久性や品質を確認するための多くの種類があります。以下に代表的な試験の種類を挙げます。
| 振動試験 |
トラックや飛行機、船などの輸送中に製品が受ける振動を再現し、耐久性を確認します。 一定の周波数や振幅の振動を加え、製品や梱包が振動に耐えられるかを評価し、破損リスクの減少につなげます。 |
|---|---|
| 落下衝撃試験 |
輸送中に製品が受ける瞬間的な力や落下を再現し、梱包材や製品が衝撃に耐えられるかどうかを検証します。 実際の取り扱い中に発生し得るダメージを防ぐために行われます。 |
| 圧縮試験 |
輸送中や保管中に製品が上からの荷重や圧力に耐えられるかを確認するために行われます。 パレットや混載など、製品が重ねられたり、重い荷物の下に置かれたりした際の耐久性を評価し、潰れたり変形したりしないことを確認します。 |
| 温度・湿度試験 |
製品が輸送中に経験する可能性のある温度や湿度の変化に対する耐久性を評価します。 特に食品や化粧品、電子機器など、温度や湿度の変化に敏感な製品を対象に用いられます。 急激な温度変化や高湿度が、製品の品質や機能にどのような影響を与えるかを確認します。 |
これらの試験により、製品や梱包がさまざまな輸送環境で安全に耐えることができるかを検証し、製品品質を確保します。
|
ISTA (International Safe Transit Association) |
国際的な試験基準。グローバル展開を目指す企業にとっては重要な品質指標の1つ。 |
|---|---|
|
ASTM D 4169 (American Society for Testing and Materials) |
アメリカの材料試験規格。物流品質の国際基準の1つ。 |
| ISO 4180 | ISTAやASTMにならぶ国際的な輸送規格 |
| JIS Z 0200 | 日本国内の輸送規格。ISO 4180の国内版の位置づけ。 |
課題
トラックから鉄道コンテナ輸送へ切替後、これまで起きなかった「ラベルの擦れ・印刷汚損」が頻発
プロセス
鉄道コンテナで郵送中の振動データを取得。データ波形を「3軸同時振動試験装置」に入力し、実環境と同等の揺れを再現。
結果
特定の「周波数と加速度」が擦れの要因と判明。摩擦を抑える「擦れ防止カートン」を開発し、輸送トラブルの根本解決を達成。
輸送中に製品が受ける振動を正確にシミュレートする振動試験装置を多数有しております。これにより、企業は製品が実際の輸送条件下でどのように振る舞うかを予測し、適切な梱包や設計の改善を行うことが可能です。
ほとんどの包装貨物は荷台に拘束しないで輸送されますが、振動試験では包装貨物をベルトなどで振動台に固定して試験することが多いため、振動台にフェンスを設けて、包装貨物が振動台から落下しないようにするなど、拘束せずに輸送する貨物の試験を実施することも可能です。
※貨物の重量などで実施できない場合があります。
日用品・飲料・食品
対象供試品
段ボール梱包、ペットボトル、化粧品箱、パッケージ
再現・検証内容
ラベル擦れ、箱へこみ、崩落防止、共同配送化に向けた包装最適化
精密機器・家電・EC貨物
対象供試品
パソコン、白物家電、電子部品、回路基板
再現・検証内容
落下・衝撃耐性評価、Amazon等EC向け個別配送での厳格な梱包規格への適合
精密機器・家電・EC貨物
対象供試品
車載バッテリー、ラジエーター、インバーター
再現・検証内容
長距離輸送(鉄道・船舶を含む)の蓄積疲労評価、複数軸からの複雑振動シミュレーション
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