振動制御器 関連製品
K2 Fatigue
振動試験の厳しさを定量化できる蓄積疲労振動試験システム
製品に加わる「蓄積疲労」を指標とし試験を行うことで、
フィールドでの製品に対する振動ストレス量を試験時に与えることができ、過剰・過少試験を防ぎます。
蓄積疲労振動試験とは
大阪府立産業総合研究所 中嶋主任研究員が提唱する蓄積疲労を用いた振動試験手法(特願2003-424895)です。
試験の加速度を大きくし試験時間を短縮するのが加速試験です。一般に加振テーブルの加速度を基準として加速を行いますが、加振テーブル上の製品と加振テーブルの加速度が同様に大きくなるとは限りません。顕著な例として加速をしすぎてフィールドでは発生しない製品の「とび跳ね」「叩き合い」等の非線形性現象が発生し、製品に想定以上の振動ストレスが加わる過剰試験が考えられます。蓄積疲労振動試験では非線形性現象の影響を考慮して、製品が試験中に受けるストレス(蓄積疲労)を目標値と一致させるように試験を行うため、過剰試験を防止できます。
期待効果
製品に対しての試験の厳しさを定量的に評価できます。
- 試験条件の違いにより、製品が受ける振動ストレスを蓄積疲労として表すことができるので、試験条件がフィールドで受ける振動ストレスと合致しているか定量的に評価できます。
梱包方法の比較ができます。
- 梱包方法を変えることによって、製品に加わる振動ストレスがどのように変化したかを評価できます。蓄積疲労を指標とすることで最適な梱包方法を見つけることも可能になります。
輸送ルートを評価できます。
- 輸送経路ごとに製品に加わる蓄積疲労を指標にすることで、輸送ルートを客観的に評価できます。蓄積疲労が大きい輸送経路を排除するなど輸送ルートの最適化も可能になります。
特長
ルートを選択するだけで輸送シナリオを自動設定
試験条件の導出根拠が明確に
試験条件は自動で決定
輸送シナリオに応じた目標蓄積疲労が自動的に求められます(下図)。
試験時間内に製品の受ける蓄積疲労が目標値に達するように振動台の制御目標を自動で求めるので、試験の規格化に必要な専門知識は不要です。
試験手順
手順1:テスト定義
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輸送環境のシナリオを作成し、試験条件値の設定を行う。
手順2:予備試験
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振動応答を計測し、本試験での目標蓄積疲労を算出する。
手順3:プレ本試験
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振動応答を計測し、本試験が目標蓄積疲労に達して終了するように、振動台の目標PSDを更新する。
手順4:本試験
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プレ本試験で求めた振動台の目標PSDを用いて、指定した試験時間での加振試験を行う。
システム図
振動制御器K2あるいはK2 Sprintをお持ちであれば、専用アプリケーションソフトウェアと蓄積疲労モニター用の加速度ピックアップ※を追加するだけで実施可能です。
※一般の振動試験のモニター用ピックアップを使用可能です。