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高速道路の地震計設置ガイド|正確な計測震度把握のための設置環境基準と機器選定のポイント

2026.06.05 2026.06.03
地震計 高速道路

地震発生時、高速道路の保全・防災担当者には「通行規制の迅速な判断」や「構造物の緊急点検」といった初動対応が求められます。このとき、判断材料となるのが各拠点に設置された「地震計(計測震度計)」のデータです。

しかし、高速道路という特殊な環境下では、「大型車両の走行による振動ノイズ」や「設置場所(盛土や橋梁)による揺れの増幅」など、正確な計測震度を把握する上で数多くの障壁が存在します。

本記事では、高速道路における地震計の重要性と設置にまつわる課題を整理し、災害時の迅速な意思決定を可能にするための機器選定のポイントを解説します。

高速道路における地震計の役割と重要性

迅速な初動体制(通行規制・緊急点検)の支援

地震が発生した際、高速道路を運営する企業は即座に通行止めや速度規制などの措置を講じる必要があります。規制の判断基準となるのが、各IC(インターチェンジ)や管理棟などに設置された地震計が示す「計測震度」です。基準値を超えた場合に自動でアラートを発報し、通行規制や、その後の道路巡回・緊急点検へとシームレスにつなげるためのトリガーとなります 。

リアルタイム被害推定システムとの連動

現代の道路防災においては、地震計のデータを単独で利用するだけでなく、「地震被害推定システム」とリアルタイムに連動させる運用が主流です。路線各所に配置された地震計のネットワークから得られる地震動データを基に、橋梁、トンネル、法面(のりめん)といった重要構造物の被害リスクを瞬時にシミュレーションし、どの区間を優先的に点検すべきかを可視化します。

高速道路ならではの課題

大型車両による走行振動(ノイズ)対策

高速道路は、大型トラックやトレーラーが24時間絶え間なく往来する環境です。この走行に伴う地面の微細な揺れ(常時微動)がノイズとなり、地震計が誤作動を起こしたり、実際の地震発生時に正確な震度算出を妨げたりするリスクがあります。いかにして日常的な交通により発生する振動を除去し、本震の揺れだけを的確に捉えるかが大きな課題です。 

被害が想定される計測震度が明白なら、大きさで分離する事は可能です。
振動周波数の違いなどで交通振動と地震動を分離する事も出来ますが、完全ではない側面があります。

管理棟や盛土、段差による計測震度のブレ

地震計を設置する場所の地盤・構造物特性によって、計測される揺れの大きさは大きく変化します。例えば、周囲より一段高い「盛土(もりど)」の上に建てられた管理棟内や、高架構造の近くなどは、地盤増幅率の影響で揺れが増幅しやすい傾向にあります。設置場所の条件を考慮した上で誤検知対策を施さなければ、路線本来の正確な震度を評価することは困難です。 

地震計を設置するコンクリート基礎を構造物と分離し高周波振動を絶縁したり、半地下程度の深さに設置するなどである程度軽減できることがあります。その分コストがかさむので多点設置の場合は現実的ではありません。

高速道路における地震計の設置ポイント

サービスエリアやパーキングエリア内で人の往来が少ない、かつできるだけ駐車スペースからは遠い地面の上が理想です。1次避難の指標とするにも理想的です。それ以外の場所では、環境振動レベルが高すぎるため観測網の構築は難しいです。 

高速道路の設置に適したIMVの地震計

S-QUBE(SW-9033)

・IP67防水
・長周期地震動に対応
・大阪関西万博に導入

スリーエス地震計(SW-5033)

・業界初の耐衝撃1000Gの地震計

・地震発生時のSI値(Kine)および加速度(Gal)を同時にアナログ出力可能

・軽く、小さく、衝撃に強い

長周期振動モニタリングシステム(HM-0013)

・長周期地振動を高精度にキャッチ

・多点加速時の完全同期が可能
・IP67防水、耐衝撃1000g

IMVは現場に最適な地震防災の確立に貢献しています。

地震計を中心とした防災ネットワークを構築し、災害による被害を最小限に。
そんな社会を目指して、世界で当社の地震計による防災ネットワークを広げています。
ここ数年で活発になっている発展途上国での防災対策の分野においても、JICAのSDGsビジネス支援事業などを通じて当社の地震計を軸とした防災システムの導入を進めています。

長周期の振動を正確に測れることから、高層ビルや水門、橋梁といった大型建造物のヘルスモニタリングにも採用されています。

この記事の監修者

川平 孝雄
IMV株式会社 MES事業本部 計測事業部 開発戦略課 課長兼上席研究員・防災士
振動計測機器・センサ・地震計に関する開発、大学及び研究機関との共同研究に従事する。地震計規格の標準化として「ISO/TC 268/SC 1 /WG6(防災) 国際エキスパート」を勤め、各種地震や振動に関する研究会にも参画。講演や書籍・雑誌などの記事執筆も行う。