塩水噴霧試験(複合サイクル試験・中性塩水噴霧試験)
塩水噴霧試験とは
製品の寿命を著しく縮める要因の一つに「腐食」があります。塩水噴霧試験は、主に金属材料や表面処理(めっき・塗装など)の耐食性を評価することを目的とした、代表的な腐食試験です。
本試験では、塩水溶液を微霧状にして試験片に一定期間噴霧・暴露させ、材料の腐食進行状況を観察します。試験は通常、国際標準や国内規格に基づき、特定の温度・湿度条件下で厳密に実施されます。これにより、異なる材料やコーティングの性能を同一条件で比較することが可能となります。
設計段階での材料選定におけるリスク低減や製品の信頼性向上に寄与し、実環境に近い条件下での評価を通じて、高品質な製品を市場へ提供するための重要なプロセスとして位置づけられています。特に自動車、航空宇宙、建設資材など、高度な耐食性が要求される産業界において広く採用されています。
塩水噴霧試験の主な目的
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- 耐食性の評価
特に塩害地域や高湿度環境で使用される製品において、材料の劣化耐性を正確に把握するため。
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- 材料・表面処理技術の比較検証
使用環境やコストに応じた最適な材料選定および仕様決定を行うため。
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- 製品の寿命予測と品質保証
耐久性の高い材料を選定することで、長期的なメンテナンスコストの削減と製品信頼性の確保を図るため。
IMVが提供する塩水噴霧試験
塩水噴霧試験は、概ね以下の手順に従って進めます。
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STEP01
試験条件の設定
試験に使用する塩水の濃度や温度を規定に従って設定します。一般的には濃度は
5%(または3.5%等、規格による)の塩化ナトリウム溶液を使用します。 -
STEP02
試験片の設置と装置の稼働
試験片を噴霧装置内の規定の角度で取り付けます。
この際、噴霧時間、試験槽内の温度、湿度などのパラメータを厳密に管理します。 -
STEP03
経過観察と定量分析
試験開始後は、定期的または規定時間ごとに腐食の進行状況を観察し、表面の変化や腐食の程度を記録します。試験終了後、試験片を取り出して視覚的評価や精密機器による測定を行い、腐食の進行度合いを定量的に分析します。
サービス内容
評価対象(金属、コーティング材など)に適した試験片を選定します。正確な測定結果を得るため、試験片は規格に基づいた一定の形状・寸法で準備する必要があります。 溶液の調製においては、純度の高い塩化ナトリウムを使用し、環境条件(温度・湿度)の変化による影響を最小限に抑えるよう、試験室内の管理を行います。
通常、中性塩水噴霧試験では槽内温度を35℃前後に保ちます。試験の終了後は、試験片の状態を詳しく分析し、評価結果を報告書にまとめます。
試験が進行する中で、定期的な観察を行い、腐食の進行具合を確認します。試験の終了後は、試験片の状態を詳しく分析し、評価結果を報告書にまとめます。この一連の手順が、塩水噴霧試験における準備と手順です。
対応規格について
| 規格 | 内容 |
|---|---|
| JIS Z 2371 | 日本の塩水噴霧試験のもっとも基礎となる規格 |
| JIS C 60068-2-11 | 電気・電子製品向けの連続噴霧試験 |
| JIS C 60068-2-52 | 「塩水噴霧」と「高湿放置」を交互に繰り返す複合サイクル試験 |
| JASO M 609 | 自動車部品向けの複合サイクル試験(CCT) |
| JASO D014-4 | 自動車の車載電子機器に特化した環境試験規格 |
| NDS C 0110E | 防衛装備品(自衛隊向け)の電子部品に対する試験規格 |
塩水噴霧試験の種類と使用設備について
当社の塩水噴霧試験は、目的や想定環境に応じて
中性塩水噴霧試験と複合サイクル試験の2つの手法が実施できます。
※酢酸酸性塩水噴霧試験、キャス試験には対応できません。あらかじめご了承ください。
中性塩水噴霧試験(NSS)
最も標準的な手法です。pHを中性域に調整した塩水を噴霧し、広範な材料の耐食性を評価する「ものさし」として、あらゆる産業分野で採用されています。
| 試験方法 |
pH値を6.5から7.2の範囲で厳密に管理した5%濃度の塩化ナトリウム溶液を用い、 試験片に対して規定時間の噴霧を行うことで、その耐食性を定量的に評価する。 |
|---|---|
| 採用される主な規格 |
JIS Z 2371:塩水噴霧試験方法 JIS K 5600-7-1:塗料・塗膜の耐候性評価(化学的性質) |
| 試験用途 |
金属材料の素地、あるいは防食塗装が施された表面の基礎的な腐食進行度を検証するプロセスとして、 産業界で広く採用されています。 |
複合サイクル試験(CCT)
「塩水噴霧」「湿潤」「乾燥」などの異なる環境条件を交互に繰り返す手法です。実際の屋外環境で発生する腐食プロセスに近い負荷を与えることができるため、より実戦的な耐久性評価が可能です。
| 試験方法 |
各規格に準拠した「塩水噴霧」「湿潤」「乾燥」といった環境条件を一定のサイクルで反復させることにより、 試験片の腐食進行プロセスを加速させ、その耐食性を厳密に評価する手法です。 |
|---|---|
| 採用される主な規格 |
JIS H 8502: 主にめっき層の耐食性評価について試験条件が体系化されています。 JIS K 5600-7-9: 塗料・コーティング膜の防食性能を検証するための評価手法が規定されています。 |
| 試験用途 |
金属製品全般や塗装が施された表面の耐食性を確認するための「標準的な指標」として、 製造現場で欠かせない存在となっています。 基礎的な品質保証から新素材の開発段階まで、多岐にわたる分野でその有効性が実証されています。 |
判定基準と評価項目
塩水噴霧試験の判定基準は一律ではなく、多くの場合、JISやASTM、ISOといった国際規格、あるいは顧客との合意に基づく独自基準によって評価されます。代表的な判定手法には以下の3点があります。
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- 外観観察(目視評価)
錆の発生状況や色、塗膜の膨れ・剥離の有無を詳細に確認します。
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- レイティングナンバー法
腐食面積を標準図(サンプル図表)と照らし合わせ、段階的な数値(0〜10)で客観的に格付けする手法です。
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- 腐食減量法
試験前後の質量差を測定し、腐食によって消失した金属量を定量的に算出します。
塩水噴霧試験の応用
塩水噴霧試験の主な応用分野
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- 自動車産業
シャーシやエンジン部品の長期的耐食性を検証。防錆コーティングの効果確認や、より耐久性の高い部品開発に不可欠です。
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- 航空・宇宙・防衛・船舶
極めて過酷な環境下での運用が想定される構造材や表面処理の信頼性向上に寄与します。
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- 建材業界
外装材や土台に使用される金属部材の腐食耐性を評価。建物の長寿命化に向けた材料選定に活用されます。
塩水噴霧試験を委託できるIMVの試験場
IMVでは、埼玉県入間市の「日本高度信頼性評価試験センター」にて、高度な塩水噴霧試験の受託を承っております。
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日本高度信頼性評価試験センター
当センターは国内有数の信頼性評価試験場であり、塩水噴霧試験のみならず、振動試験や環境試験を組み合わせたパッケージ評価も可能です。
高品質のEMC試験及び技術の提供が可能なことから航空・宇宙・防衛といった最先端技術の評価に貢献しています。 -
タイテストラボ
塩水噴霧試験のみならず、振動・衝撃・その他環境試験など、試験条件の開発、防振設計、試験に合格できなかった場合の対策なども支援いたします。各種計測機器を使用した電気系の機能評価にも対応しています。
試験事例
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