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市指定重要文化財を最新の計測技術で守る産学連携の取り組み

当社は、広島大学および大阪大学と、平屋と2階建てが一体になった伝統的木造建築(部分二階建て)における地震時の揺れ方と耐震性能を評価する研究を行いました。

本研究では、広島県竹原市に所在する「旧森川家住宅」を対象に、実際の地震発生時に当社製の地震監視装置「SW-9033」で捉えたデータとコンピュータ解析を組み合わせることで、建物内部の構造による「揺れ方の違い」と損傷につながるメカニズムを検証しました。

実際の建物を「測る」ことで耐震性能を評価

令和6年能登半島地震では、平屋部分と2階建て部分が一体となった「部分二階建て」の木造住宅において、大きな被害が報告されました。
この形状の建物は、「重くて揺れやすい二階建て部分」と「比較的軽くて硬い平屋部分」が隣接しているため、地震時にお互いが異なる揺れ方をします。
その結果、つなぎ目(境界部分)に大きな力が集中し、建物が引きちぎられるように倒壊に至る危険性が指摘されていました。
伝統的な古民家や文化財に多いこの構造をどのように補強すべきか、科学的なデータの取得が求められていました。

本研究のポイントとIMVの役割

重要文化財「旧森川家住宅」に地震監視装置「SW-9033」を設置し、実際の地震を観測
広島県竹原市にある市指定重要文化財「旧森川家住宅」(部分二階建て構造)に、IMV製の高精度地震監視装置「SW-9033」を3台設置。2026年1月に発生した島根県東部地震(最大震度5強)の際、建物の揺れを記録しました。

実測データをもとに地震時の揺れ方を解析

「SW-9033」で得られた実測データをもとにコンピュータ上で建物の構造モデルを再現し、地震時の挙動を解析しました。

耐力の偏り: 2階建て部分は重量があるにもかかわらず、地震の揺れに耐える壁の割合が少なく、極めて倒壊しやすい状態であることが判明。

ちぎれる挙動の再現: 大地震の揺れを与えたシミュレーションでは、平屋部分に対して2階建て部分が激しく変形し、つなぎ目から破壊されていく挙動が数値として裏付けられました。

今後の展望

今回の研究成果により、部分二階建て建物における「どこに力を集中させて補強すべきか(特につなぎ目の接合補強)」という明確な指針が得られました。
IMVはこれからも、振動計測技術を活用した産学連携や研究活動を通じて、建築物の安全性向上や防災分野の発展に貢献してまいります。

「旧森川家住宅」について

元竹原町長・森川八郎の邸宅で、大正期の姿を良好に残す市指定重要文化財です。江戸末期〜明治初期の主屋をはじめ、離れ座敷や茶室、土蔵など全八棟が完存しており、吟味された材木や優れた大工技術による質の高い和風建築であり、歴史的価値の高い貴重な建造物として知られています。

地震監視装置「S-QUBE(SW-9033)」

https://we-are-imv.com/business/products/item/s-qube/