内閣府「令和7年度 防災産業の海外展開に関する調査実証事業(地震計に係る調査実証事業)」を実施
当社は、内閣府の「令和7年度 防災産業の海外展開に関する調査実証事業(地震計に係る調査実証事業)」に採択され、タイ国内の高層ビル3棟において、当社の地震監視装置「S-QUBE(SW-9033)」および専用クラウド「GalnetCloud」を用いたリアルタイム構造ヘルスモニタリングサービスの実証事業を完了いたしました
本事業では、バンコク市2か所、チェンマイ市1カ所の高層ビルにそれぞれ3台(計9台)の地震監視装置を設置。各階層で計測されたデータをクラウド上でリアルタイムに解析し、地震発生時の構造物の健全性を即座に評価・通知するシステムの実証を行いました。
▼本システムの目的と意義
タイ国内(特に首都バンコク)では、2025年3月に発生したミャンマー地震の際、遠方からの揺れが高層ビル群に影響を与え、大きな関心を集めました。高層ビルを大きく揺らす「長周期地震動」への対策は、今後のBCP(事業継続計画)の観点からも急務となっています。
一般的な地震計ではこの長周期の揺れを正確に捉えることが難しいケースがありますが、今回採用した「S-QUBE(SW-9033)」は、0.02Hzという超長周期帯域においても感度が減衰しない優れた計測性能を有しており、高層ビル特有の揺れを正確に記録・可視化できます。
さらに、データが集約される「GalnetCloud」は、被災直後に設置階層ごとの「最大層間変形角」を算出し、ユーザーへ即座に通知する機能を備えています。今回の実証にあたり、現地のビル管理者が直感的に情報を把握できるよう、タイ語表記へのローカライズも対応いたしました。
▼実証の概要
本実証は2026年3月まで実施されました。期間中に有感地震の発生はなかったものの、平時における「常時微動」の観測データを継続的に収集・解析いたしました。
これにより、地震がない環境下でも建物の「固有周期」などの構造特性を正確に把握できることが確認され、平時からの構造ヘルスモニタリング、および将来の地震リスクに対する予兆管理としての有効性を実証しました。
▼今後の展開
これまでタイ国内では地震観測インフラの導入が途上段階にありましたが、昨今の防災意識の高まりを受け、今後は民間・公共問わずさまざまな施設で地震計の設置が進むと想定されます。実際に、本実証事業を契機として、タイ国内において新たな受注や引き合いが始まっています。
当社は、このタイ国内における新たな防災ニーズに迅速に対応すべく、今後も現地のパートナー企業と連携しながら、地震観測技術の開発と地震計の普及を通じて、東南アジア地域の安全・安心に貢献してまいります。