防災科学技術研究所実施のE-ディフェンス実験において「地震計連動ネットワークカメラシステム」をTOA株式会社と共同実証
当社は、音響機器および情報伝達システムを展開するTOA株式会社(本社:神戸市、代表取締役社長:谷口方啓、以下「TOA」)と共同で、地震発生時の揺れを検知し、被災前後の映像を自動記録・共有する「地震計連動ネットワークカメラシステム」を「室内空間・機能を対象とした地震災害軽減および被害判定のためのE-ディフェンス実験」(防災科学技術研究所実施)にて実証実験を行い、その有効性を確認しました。
IMVの地震監視装置「S-QUBE(SW-9033)」と、TOAのネットワークカメラシステム「TRIFORA」を連携させることで、発災直後の被災状況を遠隔から正確に把握し、企業やインフラ施設における初動対応の迅速化や二次災害リスク低減への活用を見込んでいます。
なお、本実証は、2026年7月28日に発表した「振動・音響・映像技術を活用した連携を強化」における取り組みの一つで、「防災分野におけるセンシングと可視化技術の連携」を具体化したものです。
関連ニュース:https://we-are-imv.com/news/press/item/71359/

■背景
大規模地震への備えや企業のBCP強化が求められる中、災害発生直後の状況を現地確認に頼ることなく迅速に把握する仕組みの重要性が高まっています。
地震発生時には、揺れの大きさを把握するだけでなく、設備や施設が実際にどのような被害を受けたのかを迅速に確認することが重要です。
一方で、従来は地震計による計測データと現地映像がそれぞれ独立して管理されていたため、事後の映像切り出しや編集作業が必要となり、状況把握までに時間を要するという課題がありました。IMVとTOAはそれぞれの技術を融合し、地震時の状況把握を迅速化、高度化する新たな仕組みの構築に取り組んできました。
■実証実験の概要
本実証実験は、国立研究開発法人 防災科学技術研究所が進める「室内空間を中心とした機能維持のための研究会」に関連する振動台実験の一環として、実大三次元震動破壊実験施設「E-Defense 」で実施したものです。ここで、実物大の建物構造体に実際の地震動を与え、現実に近い条件下で挙動を再現しました。
構造体には、IMV製の地震監視装置「S-QUBE(SW-9033)」および、TOA製ネットワークカメラシステム「TRIFORA」を設置し、双方を連携させた機能の有効性を検証しました。阪神・淡路大震災で観測された地震波や、首都直下地震を想定した地震波を用いて構造体を振動させ、以下の機能を検証しました。
・長周期地震動を含む地震発生時の揺れをリアルタイムに検知
・揺れ始める前を含む地震発生時の録画映像を出力バックアップ保存
その結果、IMVの地震監視装置が設定したしきい値を超える揺れを検知すると、揺れ始める10秒前から地震発生後までの映像を自動的に保存・記録できることを確認しました。
これにより、地震の計測データと映像を一体的に取得でき、発災直後の被災状況を迅速に把握できることを実証しました。
■想定される活用シーン
本システムは、以下のような用途での活用が期待されます。
• 製造業における生産ラインや設備の被災状況の即時確認
• 企業の複数拠点や海外拠点の遠隔からの状況把握(BCP対策)
• 公共・インフラ施設における、安全確認や室内状況の把握
地震の揺れを高精度に検知するIMVの技術と、映像による状況確認を組み合わせることで、遠隔地からでも現地状況を迅速かつ正確に把握でき、初動対応の迅速化や二次災害リスクの低減に貢献します。

■本実証の位置づけ
本実証の取り組みは、災害時における室内被害の可視化や、事後の検証・分析の高度化に資する技術として期待されています。
TOAおよびIMVは、本実証で得られた成果をもとに、製造現場や公共インフラ、医療機関などを対象に実運用環境での検証を進め、本システムの実用化に向けた具体化を図ります。
<協力>
