Library コラム

地震計の設置場所はどう選ぶ?屋内外での設置のポイントを解説

2026.06.04 2026.06.03
地震計 設置場所

地震計は地震を計測する検出器(センサー・加速度計)と計測したデータを表示する表示器の2つに分かれます。

導入にあたって、最も重要なのは「設置場所の選定」です。測定データは設置環境に大きく左右されるため、測定の目的に合わせて最適なポイントを選ぶ必要があります。

観測の基本は「地盤」の揺れを知ること

地盤と建物内の双方に検出器を設置することで、地盤の揺れに対して建物がどのように反応したかを相対的に分析することが可能になります。

単に揺れの大きさを測るだけでなく、過去の観測データとの比較から「建物の応答特性の変化」を可視化し、経年劣化の診断や構造物の健全性評価にも役立てることができます。

屋外設置の3つのポイント

気象庁が定める「震度計設置基準」に基づき、正確な計測震度を算出するためには、「地盤と一体となって揺れる場所」であることが大前提です。信頼性の高いデータを取得するため、以下の条件を満たす場所を選定してください。

気候条件による機器不良を防げる

直射日光が当たる場所は避け、気温が50度以上となる場合は防水仕様のものを選択してください。
また、保護カバーを併せて使用されることをおすすめします。

気候により、センサーが水没してしまう場所は避けてください。

安定した地形かつ設置面が強固である

床下が空間になっている場所や土台となる地盤がやわらかい場所等は避けてください。

センサーの設置場所の水平度が±5°以内に入るよう設置してください。

周囲の構造物が干渉しない

地下空洞(タンク・埋設管)や柱状構造物(鉄塔・ポール・樹木)のように
機械的な人工振動による揺れの影響を受けやすい場所や、人・車両の通行が多い場所は避けてください。

屋外への設置に適した地震計

サーボ式検出器内蔵地震監視装置(SW-72 / SW-72R)

【検出器】
・Galを、 高精度デジタル表示

・DCS、PLCへの接続が可能

・外部に3段階の警報接点を出力

保護カバー

地震監視装置を衝撃や埃から守ります。
(SUS製※SPCC製も用意しています。)

こういった場所がない場合はどうすればいい?

地表でこれらの条件を満たせない場合や、よりノイズの少ない精密な観測が求められる場合は、ボーリング孔を利用した「地中埋設型」の設置をご検討ください。
検出器を埋没型のピックアップで代替する形になります。

屋内設置の3つのポイント

建物内に設置する場合は、建物の構造特性がデータに混入しないように注意が必要です。

床下に空洞がなく、強固である

床下に空洞のない、梁や基礎が直下にある強固な場所が望ましいです。
地下階は深度が増すほど揺れが減衰するため、地盤と同等の揺れが得られるか事前確認が必要です。

建物の揺れ(応答)の避けられる

高層ビルは建物固有の振動が大きいため上階に設置した地震計を基準とすることは避けます。
最下層または1階での設置が望ましいです。

免震構造の建物の場合は、免震装置よりも下の「地盤側基礎階」に設置してください。

長期的に安全である

大規模地震時でも破損の恐れがない、強固なコンクリート床面へのアンカー固定が基本となります。

屋内への設置に適した地震計

地震ウォッチャー

・タッチパネルで見やすい表示器

・メモリ機能搭載

・警報設定が可能

・DCS、PLCへの接続が可能




長周期振動モニタリングシステム(HM-0013)

・業界初の耐衝撃1000Gの地震計

・地震発生時のSI値(Kine)および加速度(Gal)を同時にアナログ出力可能

・軽く、小さく、衝撃に強い

IMVは現場に最適な地震防災の確立に貢献しています。

地震計を中心とした防災ネットワークを構築し、災害による被害を最小限に。
そんな社会を目指して、世界で当社の地震計による防災ネットワークを広げています。
ここ数年で活発になっている発展途上国での防災対策の分野においても、JICAのSDGsビジネス支援事業などを通じて当社の地震計を軸とした防災システムの導入を進めています。

長周期の振動を正確に測れることから、高層ビルや水門、橋梁といった大型建造物のヘルスモニタリングにも採用されています。

この記事の監修者

川平 孝雄
IMV株式会社 MES事業本部 計測事業部 開発戦略課 課長兼上席研究員・防災士
振動計測機器・センサ・地震計に関する開発、大学及び研究機関との共同研究に従事する。地震計規格の標準化として「ISO/TC 268/SC 1 /WG6(防災) 国際エキスパート」を勤め、各種地震や振動に関する研究会にも参画。講演や書籍・雑誌などの記事執筆も行う。