これだけは押さえたい、振動試験機の導入について
製品がどんな環境下でも変わらず機能し続けるというあたりまえを支えているのが「信頼性試験」です。
あまり馴染みのない言葉かもしれませんが、モノづくりにおいては、製品の命運を握る極めて重要な工程です。
本記事は、信頼性試験および信頼性評価の根幹になる「振動試験」や「EMC試験」など、主要な試験について解説します。
確かな品質がどのようにつくられるのか、「信頼性の裏側」を紹介します。
目次
信頼性試験は、製品が遭遇する環境ストレス(温度・湿度・振動・衝撃など)を加えて、長期間にわたって安全に機能し続けるかを検証する「環境試験」と、
製品が電磁波の干渉により、他の電子機器の誤作動を引き起こしたり、逆に他の機器から発生する電磁波を受けて機能障害又は破壊などを起こさないかを評価する「EMC試験」などに分類されます。
信頼性試験の最大の目的は、潜在的なリスクを排除し、市場投入後のリコールや修理コストの低減にあります。
品質の指標となるJISやISOなどの国際規格は、技術革新の加速に伴い、従来の5年周期を待たずに早期改正されるケースが増えています。
企業・製品によって異なります。
試作品の製作が完了した時点で行う企業もあれば、部品の選定時から実施する企業もあります。
信頼性試験は、設計時に想定した寿命が保証できるのかを確かめる手段です。
試験中に製品が故障すれば、試験結果をもとに、設計を練り直して信頼性の向上につなげていきます。
ここでは、主要な信頼性試験をご紹介します。
移動や輸送、製品自体が稼働する際など、あらゆる製品は常に「振動」というリスクに晒されています。
製品が実環境で受ける振動に近づくよう設定または、所定の規格に準拠した周波数や加速度を製品に加えることで、内部部品や構造への影響を可能な限り洗い出します。これにより、市場投入後の不具合を低減します。
電子回路や医療機器をはじめ、宇宙機など、様々な現場で実施されています。
近年はJISやISOなどの国際規格に加え、企業が独自の基準を制定し試験を実施するケースが増えています。
| JIS C 60068-2-6 | 正弦波振動に耐える能力を決定するための標準的な試験 |
| JIS Z 0200 | 包装貨物が流通過程において受ける振動,衝撃及び圧縮などに対する包装評価のための試験 |
| MIL-STD-810H | 米国国防省が定めた過酷な環境下での耐久性や信頼性を評価するための試験 |
・輸送中のラベルの擦れを解決|キリンホールディングス株式会社
・テストドライバーも「実車に近い」と太鼓判。多点加振による走行評価試験
温度と湿度を連動し変動させ、実環境で起こり得るこれらの中長期的な劣化リスクを厳格に評価し、市場投入前における製品の信頼性を確認します。
物質は温度変化によって膨張と収縮を繰り返すため、製品内部の接合部や材料には常にストレスがかかっています。
水は精密機器の天敵です。急激な温度変化によって製品内部に「結露」が生じた際は、金属部の腐食や絶縁性能の低下、素材の膨張といった深刻な故障の原因となります。
| JIS C 60068-2-30、38 | 電気・電子機器の温湿度サイクル試験の指針 |
| MIL-STD-202 | 米国国防総省が定める電子部品向け試験 |
| MIL-STD-883 | 米国国防総省が定める半導体デバイス向けの試験 |
・JIS E 5006~LEDライトに関する一連環境受託試験事例~
通常の使用環境における故障リスクを確認するために、高温や高電圧といった厳しい環境下で製品を稼働させ、トラブルに至るまでの時間やプロセスを分析します。
いかに実態に即した適切な試験条件を設定するかが重要で、試験条件が過剰に厳しすぎると、無意味な設計変更や実環境では発生しない壊れ方につながります。条件が緩すぎると、使用状況によって想定外の事故を招く危険性があります。
| JIS C 60068-2-14 | 周囲温度の変化が供試品に及ぼす影響を分析するために、規定の周囲温度の変化を伴う試験(いわゆる熱衝撃試験) |
| JESD22-A104D | JEDECによる電子部品や半導体デバイスに対する温度サイクル試験 |
・最高周波数2000Hz対応:高周波3軸同時振動試験による実環境再現
・RTCA/DO-160D~プロペラ航空機のラックに取り付ける電子機器の受託試験事例~
・JIS E 5006~LEDライトに関する一連環境受託試験事例~
製品の品質を左右する性質の1つに電磁耐性能力があります。
EMC(電磁環境両立性)試験とは、「電磁波によって、電気機器・電子機器が誤作動を起こさないかを確認する試験」です。
電気機器・電子機器が発する電磁ノイズが
・他機に影響を与えないこと(EMI:エミッション)
空中放射や線路伝導される電磁波強度を測定。
・他機からのノイズに影響されず正常に動作すること(EMS:イミュニティ)
電磁波照射や静電気・雷サージ印加に対する耐性を確認。
ノイズ障害はシステムの誤動作や事故を引き起こすため、多くの国や地域で法的・自主的規制(EUのEMC指令、米FCC、日本の電気用品安全法やVCCIなど)が設けられています。
| IEC/EN 60601-1-2 | 医療機器向けのEMC試験 |
| CISPR14-1,2 | 民生機器向けのEMC試験 |
| MIL-STD461 | 航空宇宙防衛向けのEMC試験 |
・400MHz~3GHzを超える広帯域での電磁耐性(EMI)評価
振動や熱ストレス、電磁波ノイズなど、製品を取り巻くリスクを評価する「信頼性試験」は、企業の競争力を左右する極めて重要なプロセス。
確かな品質とは、市場の実態に即した試験の結果を設計へフィードバックしていくことの積み重ねです。リコールや修理コストといったリスクを低減し、選ばれ続けるブランドを生み出します。
IMV株式会社は、1998年に日本初の振動・衝撃試験専門施設として東京テストラボを開設して以来、これまでに国内7拠点、海外3拠点の試験所を開設。
累計3万件の実績を持つ信頼性試験のプロフェッショナルが製品の特性に合わせたお客様の試験をトータルサポートいたします。
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